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日本語を話す人と英語を話す人では見ている世界が異なるって本当?英語の語順がわからなくなる原因とはこれだった‼

2024年7月31日

まずは、次の絵を日本語で説明してみよう。

STEP1

この絵の状況を日本語で説明してみよう。

下のヒントの言葉を使ってもいいよ。

ヒント:夏、晴れ、港、船、3人、子どもたち、走る

①晴れた夏の日、②港のボートに向かって③3人の子どもたちが④走っています。

今の日本語の文章を英語にしてみよう。

STEP2

それでは、これを、英語に翻訳すると、どんな英文になるでしょうか?

Three children are running to a boat in the harbor on a sunny summer day.

日本語と英語との間にはどんな違いがあるだろうか?

日本語は、まずその場の状況や時間を先に述べて、場面の枠組みから決めていく。

①空に入道雲が浮かぶ、夏の晴れた日に、

②港に停泊している船に向かって、

③3人の子どもたちが

④走っている情景を説明すると、

①晴れた夏の日、②港のボートに向かって ③3人の子どもたちが ④走っています。

という日本語になる。

我々日本語を使う者は、無意識に「いつ、どこで、誰が、何を、どうした」という上の絵の数字の順に世界を認識する癖がついている。

それでは、母国語として英語を使う人々は、この絵の状況をどのように認識するのか?

英語話者は、まず、動きを持つ

①3人の子どもたちに目がいく。

②子どもたちが走っているという行為をとらえる。

③向かっているのは、船で、それは港に停泊している。

④最後に、夏の晴れた日だなあという周りの状況に言及する。

したがって、英語で書くと、

①Three children ②are running ③to a boat in the harbor ④on a sunny summer day.

になる。

日本語話者が英語を学び始めると、どういう語順で英語を並べればよいかを悩む。

それは、英語で伝えたい情報を一度日本語特有の順序で文にしてから英語に変換しようとするからだ。

しかし、英語の語順というのは、英語話者が世界を認識している順に言葉を配置しているにすぎない。

このような変化はどこからくるのか。

言語というのは面白いもので、一枚の写真を見た時に、注目するポイントや順番はことなる。

日本語を母国語にする我々と英語を母国語にする彼らでは周囲を認識する順番が異なるのだ。

日本語は、周囲の枠から中心へ視界を絞っていく。だから子供たちの動作〔動詞〕である「走っている。」という述語が文章の最後に来る。

一方英語は、中心から周辺へ視界を広げていく。

したがって、三人の子どもたちが走っているという、動作の主体と動きがまず述べられる。

その後、どこへ走っていくのか、船はどこにあったのか、季節や天気はどうだったのかという周辺情報が述べられる。

先ほど、日本語話者は英語の語順で迷うことがあると指摘したが、その原因はこの世界の見方の違いに起因する。

日本語話者の我々は、無意識に周りから中心に視界を狭める癖がついているから、on a sunny summer day.

とまず言いたくなる。すると、次に何を言えばよいのかわからなくなってしまう。

もう一つ、日本語と英語の見方の違いのわかりやすい例をあげてみよう。

たとえば、あなたが自己紹介をするとき、何というだろうか?

マナビバ中学校 2年c組の ドットコム博士です。

といった具合に、まず自分の所属、学年、クラスといった枠組みから述べようとする。

一方、英語の自己紹介は、名前のみ。学校や会社などの枠組みや肩書はあえて言わないことだって多い。

そのようなものは数年で変化してしまうことが当たり前だから。

したがって、英語に取り組む際には、日本語特有のフレームを取り外し、まず、①行為の主体と②主体の行為に着目し、それを述べる。それがいわゆる主語、動詞ということになる。

主語、動詞が決まれば、その次は、主語がなぜそのような動作をしたのかという周辺へ視野を広げる事項を述べ、最後に場所や時を置く意識を持つだけで、英語の語順へのアレルギーはかなり緩和されるはずだ。

このように、我々が英語で苦しむ原因の一つに、日本語と英語で世界の見方が異なるという点があることは、英語を理解する上で大切なポイントなので、ぜひ押さえておいて欲しい。